コーヒーの香りや風味はリラックスできて幸せな気持ちになりますよね。
特にコーヒー好きな人にはたまらないもの。
妊婦さんの中には、コーヒーが赤ちゃんに影響しないか心配で我慢している人もいるのではないでしょうか?
コーヒーは妊娠中に飲んでも良いのでしょうか?
結論を言うと、、、
あまり飲みすぎなければ大丈夫。
でも妊娠30週以降は控えたほうが良い。
です。
今回は妊娠とコーヒーの関係について解説します。
【この記事を書いた人】
病院薬剤師です。医療や薬についての正しい知識を提供するように心がけています。
妊娠中にコーヒーを飲んでたら?~その①カフェイン~
カフェインを含む飲料とカフェインの作用
コーヒーにカフェインが含まれていることはご存知かと思います。
実際カフェインが入っている飲料にはどんなものがあるか知っていますか?
カフェインはコーヒーだけでなく、紅茶、緑茶、コーラ、栄養ドリンクにも含まれているんです。
栄養ドリンクは意外な盲点。。
カフェイン自体は(あまり頻度としては多くありませんが)医薬品としても用いられていて、片頭痛の治療薬として使われていたりします。
どんな効果があるのかというと
- 中枢神経の興奮作用
- 強心作用
- 利尿作用
- 平滑筋弛緩作用
です。
ふだん飲むコーヒーくらいの量であれば、精神的、身体的に仕事効率を高めたり、疲れを軽くしたり、眠気を防ぐ作用があるのですが、大量に摂った場合には
不安、興奮、不眠、幻覚、ふるえ、不整脈、めまい
といった好ましくない作用が出ることがあります。
医薬品として用いられるカフェイン水和物の添付文書には
妊婦、産婦、授乳婦への投与
胎盤を通過し、また母乳中に容易に移行するので、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人及び授乳婦には長期連用を避けること
カフェイン水和物「ヨシダ」 添付文書より
と記載されています。
妊娠中のカフェインと赤ちゃんへの影響
では妊娠中のカフェインは赤ちゃんにどのような影響を及ぼすのでしょうか?
実は妊娠中のカフェイン摂取は流産と関連があるのではないかと言われていました。
しかし2000年~2010年の研究をまとめた論文では、カフェインの流産促進作用は確認できておらず、日常的に飲むコーヒー(3杯/日以下)であれば心配する必要はない、というのが大半の専門家の意見です。
カフェインの量としては300mg/日以下です。
4杯/日以上、に関しては残念ながら現時点では情報が少ないため何とも言えないのですが、カフェインとは別の意味で問題があるので後述しますね。
各飲料に含まれるカフェインの量
各種飲料に含まれるカフェインの量について調べてみると
玉露(160mg)>レギュラーコーヒー(40-100㎎)>インスタント(65mg)、缶コーヒー(70mg)>紅茶(50mg)、栄養ドリンク(40-50㎎)>ウーロン茶(20mg)、煎茶(20mg)>コーラ(10㎎) ※飲料100g中のカフェインの含有量
といった報告(薬事新報 2327:783-784,2004)や
ドリップコーヒー(137mg)>インスタントコーヒー(76mg)>煎茶(48mg)>インスタント茶(26-36㎎) ※236.56mLあたりのカフェインの含有量
といった報告(周産期医学Vol.46 No.12 2016-12)があります。
玉露はコーヒーよりカフェインが多いのは意外でした。。
その他のお茶やコーラはコーヒーに比べるとカフェインの量は少なそうですね。
妊娠中にコーヒーを飲んでたら?~その②ポリフェノール~
カフェインについては通常の摂取量であれば問題ないと言うことはお分かり頂けたかと思いますが、妊娠中のコーヒーについてはもう一つ問題があります。
それはポリフェノールです。
詳しくは
【関連記事】妊娠中(後期)の緑茶の摂りすぎが危ない!?ポリフェノールの落とし穴
をご覧いただければ分かりますが
ポリフェノールは妊娠後期(30週以降)に摂取することによって胎児動脈管早期収縮(PCDA)と呼ばれる疾患を赤ちゃんに引き起こす可能性があるということが注意喚起され始めています。
コーヒーに含まれるポリフェノールとPCDAとの関係についてはわりと新しいトピックスで、まだ十分アナウンスはされていないようです。
ポリフェノールはコーヒーだけでなく、ワイン、緑茶、紅茶、野菜ジュースなど様々な飲料に含まれていますので、妊娠後期の女性は過剰摂取に注意しましょう。
まとめ
妊娠中にコーヒー飲んでたら赤ちゃんに影響があるのか?についてまとめました。
多くは普通に飲んでいただいて問題ないことが分かりましたね。
ただし、コーヒー好きな方でも3杯/日までに留めましょう。
そして妊娠後期はポリフェノールの影響が懸念されますのでコーヒーは控え目にしたほうが良いですよ。
医療情報は日々変わっていきます。
常に最新の情報、有益な情報をキャッチできるようにしていきたいものですね。
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