PMDA(医薬品医療機器総合機構)のウェブサイトを使ったことはありますか?
医薬品の添付文書を検索するときには必要不可欠なサイトで、私はいつもお世話になっています。
ネット環境があればいつでもどこでも無料で見れるので重宝するサイトであることは間違いないのですが、ただ添付文書やインタビューフォームを見るだけで終わっていませんか?
今回はPMDAのウェブサイトの有効な活用法の一つとして、喫煙と薬の相互作用というテーマで検索してみたいと思います。
【この記事を書いた人】
病院薬剤師です。医療や薬に関する正しい情報を提供するように心がけています。
PMDAのウェブサイトで閲覧できるもの
PMDAのウェブサイトでは添付文書やインタビューフォーム以外にも閲覧できる資料がたくさんあります。
実際の画面をみてみましょう。
まずホーム画面から「医療用医薬品」をクリックします。
医薬品名検索欄の下をみると、検索結果一覧で表示させたい文書がチェック方式で選べるようになっています。
通常はデフォルトで上記のようなチェックがついています。
添付文書やインタビューフォーム以外に閲覧可能な文書がたくさんありますね。
個人的には医薬品リスク計画(RMP)、RMP資材、審査報告書をよく参考にします。
審査報告書の活用方法についてはこちらの記事をご参照ください。
続いてもう少し下にスクロールすると、「項目内検索」が出てきます。
ここに検索したいワードを入れると、データベースからの網羅的な検索ができちゃいます。
喫煙と薬の相互作用を検索してみる
今回は喫煙で血中濃度に影響がある医薬品を検索してみます。
条件は、相互作用の項目内で、「喫煙」と「血中濃度」の両方のワードが含まれるものとしました。
この条件で検索すると全部で51件ヒットしました。
成分名が同じでも商品名、販売会社が異なるものもカウントされてしまうので、実際はもっと少なくなりました。
喫煙の影響で血中濃度が低下してしまう薬
検索で挙がったものは以下の9種類の薬です。
- アミノフィリン
- イストラデフィリン(ノウリアスト)
- クロザピン(クロザリル)
- チザニジン
- テオフィリン
- ニルマトレルビル・リトナビル(パキロビッドパック)
- メラトニン(メラトベル)
- ラサギリンメシル酸塩(アジレクト)
- リトナビル(ノービア)
これらは喫煙により体内の薬物代謝酵素であるCYP1A2が誘導されてしまうことで、薬の血中濃度が低下してしまうおそれがあるものです。
逆に禁煙することで、これらの薬の血中濃度が上昇する可能性があります。
最近ですと、パキロビッドパックの相互作用チェック項目に喫煙が入っていたのが記憶に新しいです。
テオフィリンと喫煙の話は比較的有名ですが、検索してみると意外な薬がひっかかってきたので、これらの薬の指導に当たる際にタバコの有無の聴取は意識したいものですね。
まとめ
このようにデータベースからの検索術を身につけておくと、情報収集にかかる時間が短縮できますし、ふだんの服薬指導にもしっかり生かせます。
他にもアルコールや乳製品との相互作用や、〇〇という副作用が報告されているか、などいろいろ応用ができますので、まだあまり検索したことがないという方はぜひ一度トライしてみてはいかがでしょうか?
私もまだまだ使いこなせていないので、どんどん活用したいと思います。
今回参考にした書籍はこちら。
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