このページは患者向け、医療者向けのポリファーマシー啓発冊子がダウンロードできるサイトをまとめています。
これから薬剤総合評価調整加算の算定、ポリファーマシー・減薬に取り組む薬剤師の方はぜひ参考にしてください。
【この記事を書いた人】
病院薬剤師です。高齢者の薬物療法に興味があります。
患者向け
あなたのくすり いくつ飲んでいますか?
一般社団法人 くすりの適正使用協議会と、日本製薬工業協会がポリファーマシー問題の専門家である東京大学の秋下雅弘教授及び厚生労働省の監修で作成した冊子です。
ポリファーマシーに関する一般の方向け啓発冊子「あなたのくすり いくつ飲んでいますか?」
【冊子の構成】
- なぜ、高齢者ではくすりの数が増えるの?
- なぜ、高齢者では副作用が起こりやすいの?
- 「なにか変だな」「いつもと違う」と感じたら?
- 相談する時は具体的にどうすればいいの?
- 日頃から、注意しておくことは?
【体裁】A5版カラー 4ページ ダウンロード可
コンパクトにまとまっているので、医療者が患者に手短に伝えたいとき、話題のきっかけづくりに使いやすいパンフレットです。
高齢者が気を付けたい多すぎる薬と副作用
日本老年医学会と日本医療研究開発機構研究班が2015年12月に発表した「高齢者の安全な薬物療法ガイドライン2015」の総論部分を中心に、注意点や薬物リストを一般向けにまとめた冊子です。
【冊子の構成】
- 高齢者では薬の数が増えてきます
- 薬が増えると副作用が起こりやすくなります
- 高齢者に多い薬の副作用
- 高齢者に副作用が多くなる理由
- 高齢者と薬の付き合い方
- 高齢者が注意すべき薬
- 高齢者で特に慎重な投与を要する薬物
【体裁】A5版カラー 8ページ ダウンロード可
これ1冊で伝えたいこと全てを網羅していると言ってよいほど、要点がまとまっています。
ただし、後半に注意すべき薬剤が出てくるので該当薬剤がある場合に自己判断で中止しないこと、不安を煽りすぎない説明が必要かもしれません。
薬と上手につきあうために
茨城県薬剤師会がポリファーマシー対策事業の一環で独自に作成したパンフレットです。
【冊子の構成】
- 高齢者と薬
- 薬が多くなると増える困りごと
- 身体機能の変化と薬の効き方の変化
- 困りごとを解決するために
- お薬手帳は一人1冊
【体裁】A5版カラー 4ページ ダウンロード可
ダウンロードは可能ですが県独自で作成したものなので転用はできません。
こちらもコンパクトにまとまっており、きっかけづくりに使いやすいパンフレットです。
医師、歯科医師、薬剤師、訪問看護師、介護支援専門員など一緒になって解決しましょうというメッセージが良いなと思います。
医療従事者向け
高齢者の医薬品適正使用の指針
厚生労働省が「高齢者医薬品適正使用ガイドライン作成ワーキンググループ」で議論を重ねて作成された指針案をもとに、「高齢者医薬品適正使用検討会」で検討されたものを取りまとめられたものです。
【冊子の構成】
1.ポリファーマシーの概念
2.多剤服用の現状
3.薬剤見直しの基本的な考え方及びフローチャート
4.多剤服用時に注意する有害事象と診断、処方見直しのきっかけ
5.多剤服用の対策としての高齢者への薬物投与の留意事項
6.服薬支援
7.多職種・医療機関及び地域での協働
8.国民的理解の醸成
【体裁】A4版カラー 44ページ ダウンロード可
超高齢社会におけるかかりつけ医のための適正処方の手引き
日本医師会がまとめた、多剤併用による薬物有害事象を防ぐための処方の考え方を中心に解説した手引きです。
超高齢社会におけるかかりつけ医のための適正使用の手引 安全な薬物療法
他にも認知症、糖尿病、脂質異常症についての手引きもあります。
【冊子の構成】
- 薬物有害事象と多剤併用
- 多剤併用による薬物有害事象の発生リスクと基本対策
- 特に慎重な投与を要する薬物
- 特に慎重な投与を要する薬物の中でよく使われる薬物
- 服用の管理と支援
【体裁】A4版カラー 12ページ ダウンロード可
患者向けの「高齢者が気を付けたい多すぎる薬と副作用」と、医療者向けの「高齢者の医薬品適正使用の指針」をあわせて2で割ったような分かりやすい内容です。
医療者向けの勉強会の資料としても良いと思います。
まとめ
公開されている患者向け、医療者向けのポリファーマシー啓発パンフレットについてまとめました。
この他にも独自に作成されているところもあると思いますので、公開されていたらまた随時追加していきたいと思います。
このようなパンフレットをうまく活用して、地域でポリファーマシーの意識づけをしていけると良いですね。
ポリファーマシー関連でオススメの書籍。
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