毎年猛暑で寝苦しい夜を経験しますね。
私は眠れない日の翌日はどうしても体がだるくて、調子が出ません。
実は快適に過ごすためには温度だけでなく湿度も大事って知ってましたか?
今回は寝室の温度・湿度の設定が大事な理由について分かりやすく解説します。
【このページを書いた人】
病院薬剤師です。そこそこベテラン。睡眠医学に興味があります。
理想的な寝室の環境
まず寝室の環境を整える前に・・寝る前にはすべきことは分かりますか?
不安な方はこちらをどうぞ。
【関連記事】【寝る前の過ごし方】2時間前にすべきこと・やってはいけないこと
十分リラックスした状態が整ったところで、肝心の寝室の環境はどうあるのが理想的でしょうか?
- 照明が明るすぎない
- 寝具が合っている
- 騒音がない
- 温度と湿度が適切
これらの条件を満たした寝室環境を整えられるかが質の良い睡眠を得るポイントになります。
温度・湿度も大事な要素の一つです。
まずは体温と睡眠の関係から確認しましょう。
体温と睡眠の関係
良質な睡眠は最初の90分で深く眠ることが重要だと言われています。
最初の90分で深く眠るには、メラトニンが十分に分泌される必要があります。
実はメラトニンの分泌は深部体温と関係していて、深部体温が最も低くなった時(グラフの青線)にメラトニンの分泌(緑線)がピークになります。
深部体温を高い状態から低い状態にもっていくということがポイントなのですが、室温が適切でないと体温調節がうまくいかず、睡眠の質が低下してしまうのです。
【関連記事】【睡眠改善】枕を冷やすと良く眠れるの?アタマを冷やしてスッキリ快眠!
快適な睡眠に理想の温度・湿度は?
寝床内(布団の中)の快適な温度は32~34℃、湿度は45~55%であることが分かっています。
(梁瀬ら Annals of physiol. Anthrop.4(4):331-333, 1985)
部屋の温度・湿度だけでなく寝床内の温度・湿度の設定も大事ということです。
寝床内の温度を33℃に保つという機能を持ったマットレスも販売されているくらいです。
夏季の場合
先ほどの論文では、夏季の室温は25℃で最も満足感が高く、28℃が限界。湿度は50~60%が許容範囲としています。
暑い日は寝床に入る前からエアコンなどで室温を調整しておきましょう。
一晩中エアコンをつけておくのが気になる方は、「3時間で切れる」タイマー設定をしておくと良いです。いったん深い眠りに入ってしまえば寝苦しくて目が覚めることが少なくなるからです。
冬季の場合
冬季の室温は16~19℃が目安です。
これ以上低くなると寝る前まで過ごしていた室温との差が激しくなるので、交感神経が刺激されて眠れなくなってしまう可能性があります。
寝る前の1時間前から寝室を暖めておくのが良いでしょう。
エアコンをつけても布団自体が冷たい場合もあるので、冬季は布団乾燥機や湯たんぽで布団の中を温めましょう。
ただし温めすぎは深部体温が低下しにくくなってしまうので注意です。
我が家はアイリスオーヤマの布団乾燥機にお世話になってます(^^)
また寒いからといって、パジャマを過度に着込んだり、布団を何重も重ねたりするのはお勧めできません。体温調節に必要な自然な寝返りが打てないことで睡眠の質が低下してしまうためです。
また心臓など循環器系の病気をお持ちの方は特に、冬季目覚めて布団から出たときに注意が必要です。布団の中の温度と室温の差が大きくなって、血管が収縮することにより血圧が上昇する可能性があるからです。
心配な方は起床前の室温を上げておくと良いでしょう。このあたりは主治医にも相談してください。
温度より湿度が大事
温度と湿度を比べた場合、湿度のほうが重要です。
湿度が低くなるだけで体感温度が低くなりますので、蒸し暑い夜でもエアコンの温度を低く設定しなくてもドライ設定で十分快適なことがあります。
湿度をコントロールするには寝室の壁紙を珪藻土の材質にするのも有効です。
珪藻土は吸水性がありますので、夏は湿気を吸い、冬は水分を放出して乾燥をやわらげる効果があります。
DIYで簡単にできますし、壁紙を張り替えるのも手ですね。
湿度計もお忘れなく。
まとめ
以上、快適な睡眠をとるために最適な寝室の温度・湿度についてまとめました。
温度より湿度のほうが大事というのは意外だったのではないでしょうか。
快適な睡眠を手に入れる方法ってたくさんありますから、まずは手軽にできる方法から始めて快適な寝室の環境を手に入れましょう。
もっと睡眠について知りたい方はこちらもどうぞ。睡眠の大切さが分かります。
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