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オーラルフレイルの予防方法を知って人生豊かに

オーラルフレイルの予防方法を知って人生豊かに摂食嚥下
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このページの要点は以下のとおりです。

・オーラルフレイル(お口の衰え)は負の連鎖を招く

・オーラルフレイルは健康寿命を短くするかもしれない

・オーラルフレイルの予防・改善にお口の運動&歯科検診を取り入れよう

突然ですが、食べたいものが食べられずに過ごす日々って想像できますか?

ある日急に自分が食べたいものが食べられなくなったら・・・

私は病院に勤める薬剤師ですが、病院ではお口に関するトラブルをかかえている患者さんをたくさんみかけます。
例えば

  • うまく噛めない
  • うまく飲みこめない
  • むせて肺炎を起こす

人がたくさん入院されてくるんです。

特にご高齢の方はそれまで普通に食事が出来ていた方であったとしても、入院をきっかけに食べられなくなってしまう方が多いです。

ふしぎな感じがするかもしれませんが、これがオーラルフレイルです。

今回は「お口の衰え、オーラルフレイル」について解説します。

【この記事を書いた人】

管理人
管理人

病院薬剤師です。医療や薬についての正しい知識を提供するように心がけています。

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「フレイル」とは?

フレイルは英語の「Frailty」を日本語訳にしたものです。「Frailty」には老衰、脆弱といった意味があり、”加齢に伴って老い衰えた状態” を指します。

ただし、適切に対処すればもとの健康な状態に戻るという意味も含んでおり、健康と要介護の間の状態を表しています。(フレイルに関する日本老年医学会からのステートメント

実はお口の衰えについても「オーラルフレイル」という概念があります。

オーラルフレイルとは?

オーラルフレイルとは、おもに口まわりの筋力が衰えることにより、滑舌や食の機能が低下することを表します。

加齢の影響もありますが、歯周病、むし歯などがきっかけになることもあります。

「噛む」「飲み込む」「話す」という動作に支障が出るため、食べこぼし軽いむせ固いものが噛みにくい滑舌が悪い口の中が乾くなどの症状が現れます。

そうすると、次のような悪循環に陥りやすくなります。

噛む力が衰えて固いものが食べにくくなる
    ↓
やわらかいものばかり食べる
    ↓
噛むために必要な筋力がさらに低下
    ↓
さらに噛む力が衰える
    ↓
食欲がなくなる
    ↓
栄養状態が悪くなる
    ↓
要介護状態になる

オーラルフレイルが寿命を縮める

東京大学高齢社会総合研究機構の報告(柏スタディ)によると、オーラルフレイルのある人はそうでない人に比べて身体的フレイルになるリスク、要介護となるリスク、総死亡リスクが2倍になる、とされています。

 

管理人
管理人

寿命に関わるかもしれないなんて、衝撃のデータですね。。

ささいな口の衰えは要注意

この文献では以下の6つの項目を指標にしています。

1. 自分の歯が20本未満
2. 滑舌の低下
3. かむ力が弱い
4. 舌の力が弱い
5.「半年前と比べて硬いものがかみにくくなった」と思う
6.「お茶や汁物でむせることがある」と思う

 

このうち3項目満たした人を「オーラルフレイル」と定義しています。

これらの項目に当てはまる方はより注意が必要と言えます。

くすりとオーラルフレイル

一部のくすりには、オーラルフレイルに良くない影響を及ぼす薬があります。

特に食欲を低下させる薬、嚥下機能を低下させる薬、口の中を乾燥させやすい薬は要注意です。

気になる方は主治医や薬剤師に相談してみてください。

 

 

人生豊かにするオーラルフレイルの予防・改善方法

地方独立行政法人 東京都健康長寿医療センター研究所が公開している資料がとても参考になります。

ご存知ですか?オーラルフレイル!https://www.tmghig.jp/research/cms_upload/201903_1.pdf

腹式呼吸、顔面体操や舌体操などを短くミックスしたお口の体操、開口訓練、舌圧訓練、無意味音音節連鎖訓練、咀嚼訓練などさまざまな方法があります。

病院ではよく言語聴覚士さんがこうした訓練を取り入れてお口に関わるケアをしています。

オーラルフレイルのチェック方法

オーラルフレイルがあるかどうかご自身でチェックできますのでまずはチェックしてみてください。

オーラルフレイル改善アプリ「毎日パタカラ」

サンスターが提供しているiphoneアプリで、オーラルフレイル改善アプリを紹介します。

高齢になると、お口の周りの筋肉が弱って舌の動きが悪くなったり、食べ物を上手にのどの奥まで運ぶことに支障がでてくるため、手軽にオーラルフレイルにならないためのトレーニングができるんです。

iphoneアプリ「毎日パタカラ」
https://apps.apple.com/jp/app/毎日パタカラ/id1419417759

「パ」「タ」「カ」「ラ」と発音することで食べるために必要な筋肉をトレーニングすることができます。

歯科検診に行く

オーラルフレイルを予防・改善するには定期的に歯科検診をすることがとっても大事です

健康な歯を保てなければしっかり噛むことができませんし、衛生状態が悪ければ歯周病になって歯を失ってしまうことになります。

もちろん毎日の歯磨きも重要です。

歯医者さんでは磨きかたの指導をされると思いますが、電動歯ブラシを勧められることも多いです。

これは手磨きはどうしてもくせがついてしまって磨き残しがあったり、時間をかける必要があるためです。

最近は使いやすく、手磨きの10倍の歯垢除去力を持つ高性能の電動歯ブラシも発売されています。

実際使ってみると歯のメンテナンスに対する意識が飛躍的に向上しますよ。

電動歯ブラシのサブスクリプション(月々のレンタルサービス)なんかもオススメです。

    

まとめ

いかがだったでしょうか。

たかがお口のケアと言えども寿命を短くしてしまう可能性があることは意外だったのではないでしょうか。

オーラルフレイルについての知識を得て、普段から意識したケアができていればあなたの人生はより豊かになるはず。

遅すぎることはありません。気が付いた今が一番行動を起こすとき。

オーラルフレイルを予防して人生豊かに過ごしましょう!

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