最近急にニキビが増えてニキビ顔が恥ずかしい・・
思春期だからしょうがないんじゃない?
思春期になると皮脂の分泌が増えるので、急に顔や首、背中にニキビができやすくなります。
ニキビは青春の勲章とも言いますから、しょうがないと諦められることが多いのではないでしょうか。
しかし多くの人が誤解していますが、実はニキビは皮膚の病気。
皮膚科で診てもらうべき疾患です。
あれこれ悩むくらいだったらさっさと皮膚科へ行きましょう。
ニキビを皮膚科で治療すべき理由について解説します。
【この記事を書いた人】
病院薬剤師です。医療やくすりに関する正しい情報を提供するように心がけています。
ニキビは病気
ニキビは医学用語では尋常性ざ瘡(じんじょうせいざそう)と言います。
「尋常性」は「普通の、ありふれた」という意味です。
つまりニキビはごくありふれた皮膚の病気ということ。
病気なので本来適切な治療が必要です。
しかしながら実際にニキビで病院(皮膚科)に受診する人はあまり多くありません。
マルホ株式会社が2018年に行った調査によると、ニキビの対処のために1年以内に病院を受診したのはわずか7.6%でした。
ニキビは放っておけば治るというイメージが強いのでしょうね。
思春期にニキビが急に増えたら
思春期にニキビが急に増えると、見た目の変化に戸惑います。
前述のようにニキビは病気なので、くり返したり、こじらせて重症化したり、痕(あと)が残ったりします。
マルホの調査によると、ニキビができることによって
- 人の目が気になる
- 外出を控える
- 仕事や勉強に集中できない
- 化粧時間が増える
といった悩みを抱え、日常生活の質が低下する人が増えます。
大抵、思春期の中高生の頃はニキビが原因でからかわれたり、あだなを付けられたり、嫌な思い出がつきものです。
何とかしたくても子供が自分の意思で病院を受診するのは難しいもの。
思春期の時期のニキビは子供にとっては親が思っている以上に深刻な問題であることを理解し、親が皮膚科受診を積極的に誘うべきです。
コメドの治療が大事
コメドをご存知ですか?
聞きなれない用語ですが、コメドはニキビが赤くなる前の毛穴のつまりのこと。
日本語では面皰(めんぽう)といいます。
いわばニキビの赤ちゃんみたいなものですね。
写真の黒マルがコメドです。
コメドを放っておくと内側でアクネ菌が増殖し、やがて炎症が起き赤く腫れあがっていきます。
炎症を起こすと周りの組織が破壊されていくため、皮膚にデコボコが残りやすくなってしまいます。
痕を消すのはなかなか難しいので、早期から「コメド」を治療することでニキビが繰り返さない状態にすることがポイントです。
ニキビに効果のある薬
ニキビは病気ですから、効果のある薬を使うべきです。
日本皮膚科学会が出版した尋常性痤瘡治療ガイドライン2017によると治療薬の主流は毛穴汚れを取る塗り薬です。
- ディフェリンゲル®(アダパレン)
- ベピオゲル®(過酸化ベンゾイル)
- エピデュオ配合ゲル®(アダパレン/過酸化ベンゾイル)
- デュアック配合ゲル®(クリンダマイシン/過酸化ベンゾイル)
この4種類の塗り薬は毛穴のつまりを改善したり、アクネ菌の増殖を抑えながらコメドを治療できます。
思春期の男子・女子のおでこは治療を続けるとこんなイメージで良くなっていきます。
市販で購入できるニキビ治療薬では効果が保証されていないだけでなく、むしろニキビを悪化させてしまう可能性があります。
スキンケアにはノンコメドジェニック(ニキビができにくい)製品を選びましょう。
またステロイドが入っている塗り薬や飲み薬はニキビを悪化させることがありますので使用しないこと。
ニキビを潰すのもNGです。
まとめ
ニキビは皮膚科で治療すべきだという理由について解説しました。
一昔前はこんなに良い薬がありませんでしたから、ニキビができても何もしないのも当然の時代でした。
思春期に皮膚科を受診して薬を処方してもらうことについて抵抗を感じる人もいるかもしれませんが、早期に適切な治療を始めるほど治りも早いし、見た目もきれいになります。
ニキビは自己流で治す時代ではありません。
皮膚科へ行ってこれらの薬を処方してもらい、さっさと治すのが一番の近道ですよ。
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