オミクロン株が広がりを見せるなか、3回目のワクチン接種が急がれています。
1回目、2回目はファイザーだったけど3回目もファイザー打ちたいな
モデルナなら空きがあるらしいけど‥
3回目打つならどちらのワクチンが良いのでしょうか?
同じものを打ったほうが良いのでしょうか?
それとも違うワクチンを組み合わせたほうが良いのでしょうか?
結論は「どちらのワクチンでもOK!打てるほうを早く打とう」です。
その理由について解説します。
【この記事を書いた人】
病院薬剤師です。医療やくすりに関する正しい情報を提供するように心がけています。
3回目ワクチンの供給量
政府によると、3回目の新型コロナワクチンの供給量は4月上旬までに約8500万回分を自治体に配送する計画とされているそうです。
必要量自体は確保されているのですが、内訳をみるとファイザーが3660万回、モデルナが4850万回。
モデルナワクチンが5割を超えていることから、1回目・2回目がファイザーだった人も3回目はモデルナに割り当てされる人が多いと予想されています。
(佐賀新聞Live 2月2日 記事より)
ファイザーを打ったあとのモデルナワクチンの効果は?
では実際1回目・2回目にファイザーを打ち、3回目にモデルナを打った場合のワクチンの効果はどの程度なのでしょうか?
厚生労働省の新型コロナワクチンQ&Aには以下のように記載があります。
厚生労働省はファイザー、モデルナを交互接種しても良いとするスタンスです。
イギリスのデータを参考にしてみます。
https://assets.publishing.service.gov.uk/government/uploads/system/uploads/attachment_data/file/1050721/Vaccine-surveillance-report-week-4.pdf
こちらの図は横軸にワクチン接種後の期間、縦軸に発症予防効果を表したものです。
1回目・2回目をファイザーワクチン、3回目をファイザーにした場合、モデルナにした場合のデルタ株、オミクロン株に対する発症予防効果を示しています。
図の左側をみると、オミクロン株に対しては2回接種後24週以上経つと、有効性が10%ほどにまで低下していることが分かります。
その後3回目接種にファイザーワクチンを使用すると、有効性は70%近くまで上昇し、その後14週で45%程度まで低下します。(図の中央)
一方、3回目接種にモデルナワクチンを使用すると、有効性は80%近くまで上昇。14週時点でも60%以上を保っています。(図の右側)
要するに1回目・2回目にファイザーを打った人が3回目にモデルナを打つと、ファイザーワクチンを3回接種した人よりも発症予防効果が高まるかもしれないのです。
どちらか選べない場合は?
だったら3回目はモデルナがいいなぁ‥
とはいえ、実際は住んでいる自治体によって取り扱いのあるワクチンが違うので、どちらのワクチンになるかは選べない場合が多いです。
希望するワクチンが打てなかったとしてもあまり心配する必要はないでしょう。
なぜならmRNAワクチンであればどちらでも構わないからです。
アストラゼネカのウイルスベクターワクチンに比べて、ファイザーやモデルナのmRNAワクチンは非常に効果が高いです。
有効性に多少の違いはありますが、どちらのワクチンも大変優秀なことに間違いはありません。
下手に迷って打つ機会が遅れてしまい、コロナに感染してしまっては元も子もありません。
今は一刻も早く打つほうが賢明と考えましょう。
実際、諸外国の状況をみても、初回シリーズで接種したワクチンの種類にかかわらず、追加接種で使用するワクチンはmRNAワクチンを推奨している国が多い状況です。
ファイザーかモデルナ、どちらか打てれば万々歳!
まとめ
3回目の追加接種にファイザーとモデルナワクチンどちらがいいのかについてまとめました。
1回目・2回目と同じワクチンのほうが気持ち的に安心というのはありますが、ワクチンの流通状況からすると異なるワクチンになる可能性は十分あります。
3回目の追加接種がどちらのワクチンであっても効果は保証されていますし、今のところ安全性の懸念もありません。
然るべきタイミングが来たらすぐに接種できるように準備しておきましょう。
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