スポンサーリンク

基本に戻って‥アムロジピンの副作用を復習

アムロジピンの副作用を復習ポリファーマシー
スポンサーリンク

薬剤師
薬剤師

アムロジピンの副作用を発見したことありますか?

薬剤師
薬剤師

そう言われるとあんまり気にしたことなかったです・・・

持参薬鑑別しているとかなりの確率でカルシウム拮抗剤を見かけます。

処方頻度が多い薬なだけに、副作用もそれなりの頻度で発現しているはず‥

私自身、アムロジピンの副作用と思われる浮腫を疑って薬剤変更を提案した経験はありますが、そんなに頻度は多くありません。

薬剤師はアムロジピンの副作用を知ることで、処方カスケードの連鎖を止めることができるので、ポリファーマシーに関わりたいと思ってる人はぜひ意識しておきたいところ。

基本に戻ってアムロジピンの副作用を復習してみましょう。

【この記事を書いた人】

管理人
管理人

病院薬剤師です。医療やくすりに関する正しい情報を提供するように心がけています。

スポンサーリンク

作用機序からみたアムロジピンの副作用

アムロジピンの作用機序は

細胞膜の電位依存性カルシウムチャネルに選択的に結合し、細胞内へのCa2+の流入を減少させて冠血管や末梢血管の平滑筋を弛緩させる。そのカルシウム拮抗作用は緩徐に発現するとともに持続性を示し、また心抑制作用が弱く血管選択性を示すことが認められている25)。

大日本住友製薬 アムロジン®錠の添付文書より

血管の平滑筋を弛緩させることで起こる主作用は降圧ですが、副作用としてめまい、ふらつきが起こることがあります。

また血管を拡張させることで頭痛が引き起こされることも有名ですね。

一方、平滑筋は血管以外にも消化管、気管支、膀胱、子宮などにも存在するので、これらの平滑筋を弛緩させることによる副作用が意外な副作用として現れるわけです。

便秘

消化管の平滑筋を弛緩させることで起こる副作用は便秘です。

ありがちな処方カスケードとしては、便秘に対する下剤ですね。

特に下剤が2種類以上併用されているような場合は、アムロジピンの副作用を疑うきっかけになるかもしれません。

その他、消化管の運動が抑制されることで嘔気が出たり、消化不良によって下痢になる場合もあります。

GERD(胃食道逆流症)

下部食道括約筋(LES)を弛緩させることで起こる副作用としてGERDがあります。

LESは胃と食道のつなぎ目にあり、胃酸の逆流を防ぐ筋肉です。

添付文書には「心窩部痛」で一括りにされてしまっているせいか、GERDと明確に記載はありませんが‥

カルシウム拮抗薬とGERDの関連について検討した後ろ向きコホート研究では、アムロジピンやニフェジピン開始後に有意にGERD症状が悪化した、という報告がありました。

Do calcium antagonists contribute to gastro-oesophageal reflux disease and concomitant noncardiac chest pain?(PMID:17298478)

アムロジピンによるGERDに対してPPIが処方されている処方カスケードもそれなりにありそうですね。

浮腫

アムロジピンによる浮腫投与量依存的にみられる副作用、と添付文書に記載されています。

カルシウム拮抗剤による浮腫のメカニズムは以下のとおりです。

  • 毛細血管前の細動脈が拡張
  • 毛細血管の静水圧が上昇
  • 体液が間質へ移動
  • 体液移動による循環血漿量が減少することで腎でのNa再吸収が増加

頻度的には使用者の10数%にみられ、頻度は高いとされています。

高齢者や女性、血管の広がる暖かな気候のときに起こりやすくなると言われています。

ちなみにRAS阻害薬とアムロジピンの合剤では浮腫が分かりにくくなっている場合があります。

頻尿

膀胱排尿筋を弛緩すると、膀胱の収縮が抑制されます。また尿意を感じにくくなったり、排尿の勢いが低下するため、頻尿を引き起こす可能性があります。

論文検索してみると、カルシウム拮抗剤の服用によって下部尿路症状が悪化する可能性が示唆されていました。

Effect of Calcium Channel Blockers on Lower Urinary Tract Symptoms: A Systematic Review(PMID:29124064)

アムロジピンの頻尿で抗コリン薬追加の処方カスケードに注意しましょう。

歯肉浮腫

教科書的に有名な副作用ですが、私は一度も遭遇したことがありません‥

歯科領域では有名なようで、なかなか衝撃的な画像がヒットしてきます。

歯垢があるなど口腔内の衛生状態が悪い場合、歯肉浮腫が起こりやすいと言われています。

患者さんに歯茎をよ~く見せてもらうと見つけられるのかもしれませんね。

まとめ

アムロジピンの副作用を復習してみました。

アムロジピンは数ある薬の中でも処方頻度の高い薬。

ついつい見逃してしまいがちな副作用ですが、薬剤師が積極的にモニタリングして、処方カスケードに気づけるとポリファーマシー回避につながると思います。

デキる薬剤師になるべく日々研鑽していきたいと思います。


コメント

タイトルとURLをコピーしました