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【認定薬剤師を取ろう】外来抗感染症薬認定薬剤師のすすめ

抗感染症薬認定薬剤師感染症
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認定薬剤師を目指したいけど、何がいいかな

感染症に興味があるなら、外来抗感染症薬認定薬剤師っていうのがあるよ

認定薬剤師に興味はありますか?

認定薬剤師はスキルアップを目指す薬剤師なら一度は挑戦してみたい資格。

最近、保険薬局薬剤師がとれる認定薬剤師が1つ増えました。

その名も「外来抗感染症薬認定薬剤師」

今回はこの資格の紹介とチャレンジしてほしいと思う理由について書きます。

管理人
管理人

病院薬剤師です。抗菌化学療法認定薬剤師を取得しています。

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外来抗感染症薬認定薬剤師とは?

外来抗感染症薬認定薬剤師は、2022年4月に新設された日本化学療法学会が認定する感染症に興味のある薬剤師向けの認定制度です。

背景にあるのはAMR(Antimicrobial Resistance)対策です。

日本でAMRが大々的に注目されたのは2016年の伊勢志摩サミットで、不適切な抗菌薬使用に対して何も対策をしなければ、2050年には全世界で年間1,000万人が薬剤耐性菌により死亡するという衝撃的な予測がされています。

AMR臨床リファレンスセンター ホームページより

現在はがんで命を落とす人が圧倒的に多いのに、将来的には感染症で命を落とす人のほうが多くなるというデータ‥

日本化学療法学会は病院薬剤師向けに「抗菌化学療法認定薬剤師」制度を立ち上げて、病院内で使用される抗菌薬の適正使用を推進しています。

2022年1月時点で登録されている認定薬剤師は1,400名超。

ただ、医療施設数を考えるとその数は全然足りません‥。

加えて抗菌薬の使用量は病院内を1とすると、外来が9で、圧倒的に外来が多いので保険薬局薬剤師さんに大いに活躍してもらわなくてはいけないのです。

外来抗感染症薬認定薬剤師の認定要件

認定の要件は以下のとおりです。

外来抗感染症薬認定薬剤師の申請は下記の各項を満たす者とする。

⒈本邦における薬剤師免許を有し、薬剤師として優れた人格及び感染症化学療法の見識を備えている。

⒉申請時に、薬剤師として抗感染症薬の外来調剤と服薬指導等の実務経験が3年以上有することを示す、所属施設長の証明が得られる。

⒊申請時において、本学会の正会員である。

⒋抗感染症薬の外来調剤および服薬指導、疑義照会(処方介入)等、自ら関与した15例以上の症例(在宅における3症例、疑義照会による処方介入3症例を必ず含む)を報告できる。

⒌本学会の主催する学術集会への参加および指定されるプログラムや認定委員会が指定する各地域の研修プログラムなどにおいて、申請時から遡って3年以内に必要な単位数を30単位以上取得している。

外来抗感染症薬認定薬剤師制度 制度概要・申請方法 – 公益社団法人日本化学療法学会 (chemotherapy.or.jp)

⑤に該当する学会は、日本感染症学会、日本環境感染学会、日本TDM学会、日本医療薬学会、日本薬学会年会日本薬剤師会学術大会です。

この条件を満たしたうえで、書類審査に合格すると認定試験の受験資格が得られます。

どんな人が向いている?

外来抗感染症薬認定薬剤師の取得に向いていると思うのはこんな人です

  • 在宅医療に関わっている
  • 感染症が疑われるときにどんな抗菌薬を使えば良いか提案できるようになりたい
  • 不適切な抗菌薬の使用を減らしたい
  • バイタルサインを活かしたアセスメントができるようになりたい
  • 感冒様症状(発熱、咳、咽頭痛、鼻汁)や下痢症状でOTCを購入したい患者さんへの受診勧奨ができるようになりたい

症例報告のサンプルをみるに、書類審査をクリアするには普段から患者さんの症状と抗菌薬との関連を意識した症例報告を書かないといけません。

患者さんから抗菌薬についての質問を受け、副作用を疑った

腎機能に合わせた抗菌薬の投与量を医師に疑義照会した

来局した患者のバイタルサインを確認し、肺炎を疑ったので受診勧奨した

特に3つ目の症例はめちゃくちゃかっこいいなぁと思っていて、セルフメディケーションに携わる薬剤師ならではの介入事例だなぁと。

受診勧奨って本来薬剤師のあるべき姿のような気がしていて、病院に勤めている限り体験できないので、ちょっと羨ましいです。

おすすめの参考書

外来抗感染症薬認定薬剤師を目指すのにおススメの参考書を紹介します。

抗菌化学療法認定薬剤師テキスト 改訂版2021~薬剤師が知っておきたい感染症と抗菌化学療法~

もともと病院薬剤師向けに書かれた本ですが、保険薬局薬剤師でも認定を目指すなら必須のテキストです。

日本化学療法学会から購入します。

感染症関連の書籍の中でもバイブル的存在。

感染症各論、微生物、抗菌薬の特徴が分かりやすくまとまっているので、分からない時、迷った時はここに立ち返ります。

外来でメインになるのは経口抗菌薬。

保険薬局薬剤師としては経口抗菌薬に精通しておきたいですよね。

AMRを意識した経口抗菌薬の使いどころが参考になる書籍です。

こちらの記事もどうぞ→医師・薬剤師が使いこなすべき!経口抗菌薬一覧

保険薬局やドラッグストアで患者さんから風邪薬や咳止め、解熱剤を求められたときに見逃してはいけないレッドフラッグサインはご存知でしょうか?

様子を見て良いのか?どんな時に受診勧奨すべきなのか?

この本を読むとその症状の見分け方が分かるようになります。

また、そもそも外来診療で抗菌薬が必要な状況は極めて限定的です。

厚生労働省の抗微生物薬適正使用の手引き 第二版には外来診療で抑えておくべき感染症診療のポイントが薬剤師向けにも記載されていますので、必ず目をとおしておきましょう。

とりあえず学会参加から

とはいえ、いきなり目指すのはなかなかハードルが高いのでまずは日本化学療法学会に参加してみてください。

学会で保険薬局薬剤師がどんな発表をしているかが分かると刺激になるはずです。

周りに相談できる人がいなくても学会つながりで相談しつつ、認定取得できたという人はたくさんいます。

まとめ

SNSを眺めていると、保険薬局薬剤師が取得できる認定薬剤師として人気なのは、日本臨床腫瘍薬学会が認定する「外来がん治療認定薬剤師」が多いようです。

外来抗感染症薬認定薬剤師はまだまだ認知度が低いですが、感染症はコモンな疾患ですので誰もが関われる領域。

外来抗感染症薬認定薬剤師に興味があったら是非チャレンジしてみてください。

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