ファイザーとモデルナのワクチンの副反応って違うの?
モデルナのワクチンを打つ予定だけど大丈夫かな?
コロナワクチン接種が進んでいる中、ファイザーとモデルナワクチンの副反応の違いが気になります。
では両者の効果と安全性の違いについて解説しました。
その後2021年7月7日に厚生労働省からモデルナワクチンの日本国内での副反応についての情報が発表されています。
徐々にモデルナワクチンの現状が明らかになってきましたので、今回はファイザーワクチンとの副反応の違いについて改めて紹介します。
【この記事を書いた人】
病院薬剤師です。医療やくすりに関する正しい情報を提供するように心がけています。
日本のワクチン接種状況
こちらは2021年7月8日時点での世界における日本のワクチン接種回数を表したグラフです。
中国、アメリカ、インド等の大国は接種回数の桁が異なるので比較対象から除いていますが
このグラフをみるに当初遅れていると言われていた日本のワクチン接種回数ですが、決して諸外国と比較してひけをとっていないことが分かります。
日本も結構がんばってるやん
ワクチン不足が批判的に報道されていますが、むしろ予想のペースを超えてしまったため供給量が追い付かなくなったという側面もあるのです。
ファイザーとモデルナワクチンの副反応の違い
2021年7月7日厚生労働省からモデルナワクチンの副反応に関する新たなデータが発表されました。
ファイザーワクチン(コミナティ筋注)とモデルナワクチン(COVID-19ワクチンモデルナ筋注)を接種した日本人の副反応について調査した前向き観察研究です。
- ファイザーワクチンは主に医療従事者対象(1万9806人)
- モデルナワクチンは主に自衛隊職員(2021年7月5日時点1回目9344人、2回目1633人接種)
が対象です。
結論から先にいうと、
おおむねどちらも副反応に大差はないのですが、統計学的に1回目接種後のデータを比較した結果、
以下の結論が出ました。
1回目接種後の副反応はコミナティ筋注とほぼ同様の傾向であったが、年齢、性別を調整したロジスティック回帰分析では発熱、全身倦怠感、頭痛、接種部位のかゆみ、熱感などでもモデルナ筋注がコミナティ筋注に比してオッズ比が高かった。接種部位の疼痛は低かった。
新型コロナワクチンの投与開始初期の重点的調査(コホート調査)より
要するにファイザーに比べて
発熱、全身倦怠感、頭痛、接種部位のかゆみ、熱感はモデルナが多い
接種部位の疼痛はモデルナが少ない
ということです。
あくまで現時点でのデータですし、2回目接種のデータもまとまっていませんので、最終的にどうなるかは追ってご報告しますが
たしかに副反応の出方に違いはあるにせよ、あまり大騒ぎするような違いとは言えず
ファイザーが良いかモデルナが良いかという議論はあまり意味がないでしょう。
モデルナアーム~モデルナワクチン接種後の特有な副反応
モデルナワクチンでは「モデルナアーム」または「COVIDアーム」と呼ばれる接種部位反応が出ることがあります。
これはファイザーワクチンでは見られない反応です。
接種後すぐにではなく遅れて出現する皮膚のアレルギー反応と言われています。
日本人のデータでも接種後9日目以降の発赤やかゆみがファイザーワクチンと比較して多いことが分かります。
有名な学術論文の写真を引用しますが、写真をみてビックリしないでくださいね。
もしこのようなモデルナアームが出たとしても
重症になることは報告されていませんし、
数日でおさまると言われていますので心配しすぎないでくださいね。
かゆいときには抗ヒスタミン剤やステロイド外用剤、痛いときには解熱鎮痛剤で対処可能です。
1回目でモデルナアームが出現しても2回目接種も可能ですのでご安心を。
こういう現象があるんだということを知っておくだけで心構えが違うはず
まとめ
日本国内でのファイザーとモデルナワクチンの副反応の違いについてまとめました。
多少の違いはあってもどちらも優秀なワクチンであることは間違いなく、どちらになっても心配はいりません。
モデルナワクチン特有のモデルナアームについては比較的新しい情報ですので、引き続き情報を収集したいと思います。
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