コロナの後遺症ってなんかヤバそう・・
ワクチンって効果あるのかしら?
コロナ後遺症が話題になっています。
ニュースではコロナ後遺症の恐ろしさが強調されていますが、実際どんな症状があって、どれくらい続くものなのでしょうか?
ワクチンの効果はどれくらいあるのでしょうか?
今回はコロナ後遺症について分かってきたことについて解説します。
病院薬剤師です。医療やくすりに関する正しい情報を提供するように心がけています。
コロナ後遺症とは?
コロナ後遺症は海外では「Post-COVID Conditins」または「Long COVID」と呼ばれています。
コロナ後遺症の定義は、海外ではコロナ感染後4週間以上経っても持続する身体的あるいは精神的な症状のことをさしているのですが、国内ではまだ決まった定義があるわけではありません。
そのため、コロナ感染後に起きた体の不調の全般的な症状をコロナ後遺症と言っているのが現状です。
コロナ後遺症の難しいところは診断するためのテストがあるわけでも血液検査項目があるわけでもないところ。
さらに厄介なのは・・
コロナに感染した人なら(たとえ無症状だったとしても)誰にでも起こり得るうえに、生活の質が低下してしまう
ことです。
コロナ後遺症はどんな症状?
コロナ後遺症の症状は非常に多彩です。
ざっと挙げるだけでもこれだけあります。
- 呼吸困難感
- 倦怠感
- 運動後の不快感や持久力低下
- 「脳の霧」(いわゆるブレイン・フォグ)、認知障害
- 咳
- 胸の痛み
- 頭痛
- 動悸・頻脈
- 関節の痛み
- 筋肉の痛み
- しびれ
- お腹の痛み
- 下痢
- 眠れない
- 発熱
- 立ちくらみ
- 日常の機能障害
- 発疹(蕁麻疹など)
- 気分の変化
- 臭いまたは味覚の異常
- 月経周期の乱れ
- 脱毛
- 耳の痛み、耳鳴り
めっちゃ多いやん・・
これはすなわち、人それぞれ後遺症の症状が異なるということでもあります。
コロナ後遺症はどれくらい続くの?
厚生労働省が2020年1月~2021年2月までに行ったコロナ陽性患者525名の調査がこちら。
ワクチン接種後に発熱や倦怠感、関節痛は出ますがダラダラと続くことはありません。
ではコロナ感染で後遺症が出現した場合にはどれくらい続くのでしょうか?
この調査からは診断後3ヶ月の時点で大部分の方は症状が軽減していることが分かります。
一方で6ヶ月経過した時点でも3ヶ月時点と同じくらいの割合で症状が残っている患者さんがいることも分かります。
2割程度の患者さんでダラダラと症状が消えずに残ってしまっているというのが厄介です
さらに症状が1つでもある人はQOL(生活の質)が低下する傾向があることも分かっています。
ワクチンはコロナ後遺症を軽減する
世界一流の医学雑誌THE LANCETに2021年9月1日に掲載されたこちらの論文によると、調査したほとんどの後遺症でワクチンの効果を認めています。
(ワクチンはファイザー、モデルナ、アストラゼネカの3つのいずれか)
例えば嗅覚障害を例にとると、ワクチンを打っていない人に比べてワクチンを2回打った人は発症頻度を7割軽減できていることが示されています。
ワクチンスゴイね
さらに驚くべきことにワクチンを1回しか打っていない人でも嗅覚障害を5割軽減できています。
この傾向はどの症状でも見られていますので、ワクチンは万一感染してしまった場合の後遺症を軽減するのに効果的であることが分かります。
まとめ
コロナ後遺症の症状、持続期間、ワクチンの効果について解説しました。
若い人は感染しても軽症で済むと甘くみている人がいますが、実際軽症で済んだとしても後遺症に長期間苦しむということは十分あり得ます。
ワクチンを打ってさえいれば発症を抑えることもできるうえに、後遺症に悩まされることも少なくなります。
1日でも早くコロナを収束させるために正しい知識をもって行動しましょう。
コメント