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エネフリードの採用はありか?なしか?

エネフリード採用ありなし栄養
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2020年12月大塚製薬からエネフリード®輸液が発売されました。

アミノ酸・糖・電解質・脂肪・水溶性ビタミン液を含む日本初の末梢点滴用の輸液製剤です。

発売後1年経過しますが皆さんの施設での採用状況はいかがでしょうか?

エネフリードの採用にあたって賛否両論の意見がSNS上で交わされていましたので、メリット・デメリットについてまとめたいと思います。

【この記事を書いた人】

管理人
管理人

病院薬剤師です。医療やくすりに関する正しい情報を提供するように心がけています。

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エネフリード®輸液の特徴

エネフリードの特徴は何といっても末梢輸液でありながら単独でアミノ酸・糖・電解質・脂肪・水溶性ビタミンが補給できることです。

しかも550ml製剤を1日4本使用すれば、1日に1240kcalのエネルギーが補給できます。

たかが1240kcal?と思われるかもしれませんが、入院した途端に絶食+ソリタ3号500ml×3本だけという処方をみかけることはありませんか?

しかも延々と、、(特別な理由がある場合は別ですが)

実際、末梢輸液管理が行われている場合のほとんどでは1日の摂取エネルギーが不足していることが報告されています。(Medical Nutritionis of PEN Leaders Vol.2 No.1.44-48.2018)

私たちはふだん普通に糖質、蛋白質、脂肪を摂るのに、入院するとなぜかこれらの栄養素のことは無視されてしまう

こうして飢餓状態となり、筋肉が衰え、医原性のサルコペニアが作り出されていくわけです。

エネフリード®輸液はこの現状を打開できる末梢輸液製剤として期待されています。

エネフリードのメリット・デメリットは?

エネフリードを使いこなすにあたっていくつか注意点があり、そのメリット・デメリットについてSNS上で話題になっていたので紹介します。

メリット

  • PPNでありながら1240kcal入れられる
  • ビーフリードとイントラリポスとの併用よりも水分負荷が少なくて済む
  • 脂肪乳剤が配合されていることで浸透圧が低くなるため(アミノ酸製剤単独に比べて)静脈炎を起こしにくい
  • 栄養管理の意識付けや医原性サルコペニアの警鐘になる

何といってもPPNでありながら効率的にエネルギーが摂取できるのが評価されます。

ビーフリードではしばしば静脈炎が問題になりますが、日本静脈経腸栄養学会ではアミノ酸輸液製剤による静脈炎を軽減する目的で脂肪乳剤との同時投与を推奨しています。エネフリードはこれを実現した製剤とも言えますね。

デメリット

  • 毎日ルート交換が必要(細菌・真菌汚染しやすいため)
  • 混注、側注ができない
  • 医師、看護師へ事前教育が必要

血管痛のコメントはともかく、制約が多いことに関してはデメリットとして感じる人が多かったです。

賛否両論があるようでしたが、ざっくりした印象では

(どちらかというと)賛成派3:(どちらかというと)反対派7 といった感じ。

反対派の主張の大半はルート交換混注、側注できないのが理由でした。

個人的な感想

私の施設ではまだ使用経験がないです。

ビーフリード+イントラリポスでもなんとかなりますが、エネルギーをある程度入れたいと思うと水分量が多くなるのがネックです。

そういう意味ではエネフリードに魅力を感じますし、教育的な意味合いで採用するのも全然ありだと思います。

NST主導でも良いですし、薬剤部から採用申請しても良いのではないかと思います。薬剤師がエネフリードの意義を説明できると処方提案にもつながりますしね。

採用時にはルート交換や混注の問題まで看護部と話し合っておくことは必須です。

結局は施設のスタッフが栄養療法にどれだけ興味や真摯に向き合う姿勢があるかどうか?に尽きるかな~というのが感想です。

まとめ

エネフリードの採用に関する賛否両論の意見を紹介しました。

私は医原性サルコペニアになっている患者さんをたくさんみてきましたし、何とかしたいとも思っているのでエネフリードの採用には前向きに考えたい派です。

エネフリードの採用をきっかけに多くのスタッフに栄養療法に関心を持ってくれると良いなぁと思います。

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