コロナ、コロナ、でマスクが手放せない日常。
マスクは生活必需品になってしまいました。
ふだんあなたはどんなマスクを使っていますか?
普通のマスクだと息苦しい感じがしますが、ウレタンマスクだと呼吸がしやすく快適ですよね。
でも待てよ・・。そういえばウレタンマスクって効果がないって聞いたような?
そう思う方もいるのではないでしょうか。
ウレタンマスクの正しい使い方について解説します。
【この記事を書いた人】
病院薬剤師です。医療やくすりに関する正しい情報を提供するように心がけています。
ウレタンマスクは不織布マスクより効果が劣る
ウレタンマスクはこんな感じのマスクです。
少し前にウレタンマスクはかえってウイルスを拡散させるので良くない、みたいなニュースがあったのを覚えていますか?
出処はこちら。
国立大学法人豊橋技術科学大学2020年10月15日プレスリリース
スーパーコンピューター富岳によるシミュレーションで、ウレタンマスクを始めとした素材の違いによるマスクの効果について検証しています。
結論から言うと
「自分から相手に対する飛沫を防ぐ効果」
「相手からの飛沫を防ぐ効果」
のいずれにおいても
不織布マスク > 布マスク > ウレタンマスク
フェイスシールド、マウスシールドは相手からの飛沫を防ぐことに関しては効果なし
です。
ウレタンマスクは確かに快適ではあるのですが、不織布マスクに比べるとかなり効果が落ちることが分かります。
さすがに「ウレタンマスクはかえってウイルスを拡散させるので危ない」とまでは言い過ぎかもしれませんが、
ウレタンマスクをしている人が
私はきちんとマスクをつけていたのに・・
と言っても信用できないわけですね。
布マスクは不織布マスクよりは効果は落ちますが、ウレタンマスクよりは良いという位置づけです。
正しいマスクの選び方
CDC(米国疾病予防管理センター)はマスクの選ぶあたってふさわしいものについて次のように解説しています。
- しっかりと織られた通気性のある生地の複数の層があること
- 呼吸がしやすいもの
- 完全に鼻と口が覆われるもの
- 顔の側面にぴったりとフィットし、隙間がない
- マスクの上部から空気が漏れださないように鼻の部分にワイヤーがついている
- 明るい光にかざすと光を遮断されるもの
逆にふさわしくないものとしては
- ビニールなど呼吸しにくい生地のもの
- ウイルス粒子を逃がすための呼気弁または通気孔があるもの
- N95マスク(医療従事者優先のマスク)
です。
ゲイターと呼ばれるジョギングの際に用いられるようなマスクの場合は
2層構造のものにするか、折りたたんで2重にする
ことが推奨されています。
フェイスシールドについては富岳のシミュレーションと同様に、有効性は検証されていないとして推奨されていません。
子供用マスクについては
- 子供用に作られたものである
- マスクが鼻と口の上とあごの下にぴったりとはまり、側面の周りに隙間がない
また2歳未満の子供には着用させないことが推奨されています。
もしウレタンマスクを使うなら
もしウレタンマスクを使いたいのであれば
人との接触がほとんどない屋外であれば「あり」でしょう。
しかしコロナウイルスの流行地域かつ人との接触が免れない場所を移動する場合、ウレタンマスクを使うことは危険です。
2重マスクはどうなのでしょうか?
CDCは
不織布マスクの上に布マスクをかぶせて2重マスクにする
という方法を選択肢の一つとしています。
これは2重マスクが良いということではなく、不織布マスクのフィット性を布マスクで高めることができるためです。
ウレタンマスクの上に布マスクをすることの効果が検証されているわけではないので、現時点ではおすすめはできません。
現在流行しているデルタ株の感染力は当初のコロナウイルスの1200倍のウイルス量を排出していると言われています。
中途半端なマスクを使うくらいなら
自分の顔にフィットした不織布マスクあるいは不織布マスク+布マスクをつけることをおすすめします。
正しいつけ方、外し方
よく間違ったマスクの使い方をしている人をみかけます。
医療従事者でもできていない人もいます。
こんなつけ方していませんか?
鼻が出ている、あごが出ている、等はマスクをフィットできていないことになります。
腕にかけたマスクはあなたを汚染しているかもしれません。
マスクの正しい外し方はどうでしょうか?
マスクを外すときは
- 耳もしくは頭の後ろのひもを慎重に外します
- ひもの部分だけを持ちます
- マスクの外側同士を折りたたみます
- マスクを外したあと目や鼻、口を触らないように気をつけ、速やかに手を洗います
簡単なようでできてない人がたくさんいます。
コロナウイルスはささいなことから感染する機会を狙っています。
いま一度あなたの感染対策を見直すきっかけになれば幸いです。
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