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ビタミンDサプリは摂るべき?注意点は?

ビタミンDサプリメントは摂取すべきかその他
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ビタミンDサプリは摂ったほうがいいの?

今まであまり気にしたことがなかったのですが、医療業界を震撼させた今回の騒動をきっかけにビタミンDについて調べてみました。

どうやらビタミンDって奥が深そうです・・

ビタミンDサプリは摂るべきなのか?

ビタミンDサプリを摂取するうえで気をつけるべきことについて解説します

【この記事を書いた人】

管理人
管理人

病院薬剤師です。医療やくすりに関する正しい情報を提供するように心がけています。

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ビタミンDって何?

ビタミンDは骨を強くするのに欠かせない栄養素としてよく知られています。

骨の主成分はカルシウムです。

ビタミンDは小腸からのカルシウムの吸収を助けるので強い骨を維持するのに役立っているというわけです。

ビタミンDは骨に作用する以外にも、筋肉・神経伝達・免疫系などにも重要な役割を担っているとされています。

ビタミンDが欠乏すると呼吸器感染症や呼吸器疾患、自己免疫疾患、各種がん、糖尿病、痴ほう症、うつ病などが増えるのでは?といった報告もあります。(https://doi.org/10.3389/fendo.2018.00373)

ビタミンDは体の中でいろんな役割をしてるんですね。

日本人の多くはビタミンD不足

日本人のビタミンD摂取量は足りているのでしょうか?

実はほとんどの日本人がビタミンD不足です。

こちらは日本人3000人以上の男女を対象にした大規模集団のコホート研究ですが、どの年齢層でみてもビタミンD不足という結果になっています。

治療 Vol.102,No.2 (2020.2) より

特に女性では85%がビタミンD不足です。

意外にも男性でも足りていないことも分かります。

ビタミンD不足は日本だけの問題ではなく、海外ではビタミンD不足に対処するためにわざわざ食品にビタミンDを入れる政策が行われている国もあるくらいです。

なぜ不足するのか?

ビタミンDは食事で摂るか、直射日光を浴びて皮膚で作られるかのどちらかで補給されます。

ですので食事からの摂取が不十分だったり、直射日光を浴びることが不十分だとビタミンD不足になりやすくなります。

特に高齢者は若い人ほど皮膚でビタミンDを作れなくなっています

高齢者はそもそも日光に浴びる機会が減少しがちなので、ビタミンD不足になりやすい集団ですし、さらにビタミンDを活性型に変換する腎臓の機能も低下していくので、ビタミンD不足に追い打ちがかかることになります。

また肥満の人は体脂肪がビタミンDに結合してしまうので、ビタミンDがうまく体に取り込まれません。

その他にも

  • 偏食(菜食主義者)
  • 炎症性腸疾患(腸管からの吸収が落ちる)
  • 肝不全
  • 薬剤(フェニトイン、ステロイド、リファンピシンなど)
  • 喫煙者
  • 山岳地帯にすむ住人

はビタミンD不足になるリスクが高いです。

不足するとどうなる?

ビタミンDが不足すると骨が細く、もろく、いびつになります。

いわゆる骨折のリスクが高くなります。

ビタミンD欠乏状態になるとくる病、骨軟化症といった疾患を引き起こします。

また体内のカルシウムが少なくなるため低カルシウム血症になりやすくなります。

低カルシウム血症ではテタニー(こむら返り)、重症になると意識障害や脱力感、倦怠感が出現します。

さすがにここまでの症状が出る人は少ないものの、日本人の数%はビタミンD欠乏の状態ですので、気になる方は血液検査でチェックをしてもらいましょう。

ビタミンDは摂るべき?

多くの日本人に不足しているビタミンDですが、サプリメントで補う必要はあるのでしょうか?

米国食品栄養委員会の基準によると成人のビタミンD摂取量の目安は600IU(国際単位)/日です。

基本は食事と1日15分以上直射日光を浴びることなのですが、ビタミンD含有量が多いキノコ類や魚類を摂ってもなかなか1日の必要量を満たすことは難しいと言われていますし、紫外線を避けたい女性の場合は日光浴も不十分の可能性があります。

健康情報について信頼できる情報源であるハーバード公衆衛生大学院のサイトにはビタミンDサプリメントについて以下のような記載があります。

世界中の多くの人がビタミンDの必要摂取量を満たしていない可能性がある

NHANESのデータによると、51〜71歳の女性の食品およびサプリメントからのビタミンDの摂取量の中央値は1日あたり308 IUだったが、食品のみ(強化製品を含む)からは140IUにすぎなかった

ビタミンDサプリメントには2種類ある(ビタミンD2「エルゴカルシフェロール」とビタミンD3「コレカルシフェロール」)

血中濃度を高める効果を比較した無作為化比較試験のメタ分析では、ビタミンD3サプリメントのほうが血中濃度をより高める傾向があり、ビタミンD2よりも長く効くことが分かっている

特定の病気(がん、心疾患、感染症など)に対するビタミンD摂取のメリットはまだはっきりは分かっていない

ビタミンD摂取のメリットは明確ではないにしろ、過剰症を除いた明らかなデメリットは指摘されていません。

すなわちある程度のビタミンD不足はサプリで補う意義があると考えられます。

摂りすぎ(過剰症)についての懸念がありますが、米国の基準ではビタミンD摂取の上限は成人で4000IUですので、1000IU/日程度であれば1日必要量を満たせますし、過剰症をあまり懸念する必要はないでしょう。

ビタミンDサプリで気をつけること

とはいえビタミンDサプリの使用には注意が必要です。

サプリメント全般に言えることですが、サプリメントだから安心ということは決してありません。

適切に使用しなければ体に悪影響を及ぼす可能性がありますし、購入した製品が粗悪品かもしれません。

特に腎臓の機能が悪い人、高齢者は過剰症になりやすい集団です。

このような方がサプリメントを始めたいと考えるのであれば必ず医師に確認しましょう。

食品安全委員会ホームページより

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